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しょっぱくて甘いその独特な味のアイスを喉に通すと、一気に温度が下がった。
そして、そっと隣を盗み見る。
「…なに?」
盗み見、――は、どうやら失敗しているらしい。
ロクサスはアイスを舐めながら怪訝な顔でこちらを見た。
「そんな顔しなくても」
「どうせまたろくな事考えてないだろ?」
「な、失礼な!」
「じゃあ何考えてたか言ってみろよ?」
「ロクサスの横顔きれい」
「はい変態」
はあ、とロクサスはため息をついて、また前へ向きなおった。
なんで!なんで変態?真実を述べたまでなのに。
本当に、綺麗だと思うんだ。
その優しい夕日に包まれた姿は、切なくて泣きたくなるような錯覚に陥る。
「なあ、」
「なに?」
「泣きたいって、こういうことかな」
「…」
多分、そうだよ。
何故か胸にぐっと詰まるようなものが押し寄せる感覚。いや違う、感覚の、記憶。
「ロクサス、泣きたいなら泣いていいよ」
「何言ってんだよ。俺は泣けないよ」
「胸ならいつでもロクサスのためにあけてあるから!いつでも貸すよ!」
「…ほんっと、バカだお前」
ロクサスはさっきの真剣な表情を少し崩して笑った。
あ、笑った。ロクサスはほんとに綺麗に笑う。わたしたちとは違うと思う。
ロクサスのそれは、本物の美しさだ。儚さ、切なさ。
だからきっと、ロクサスは泣くことだって出来る。
ああ、それはきっと…もっと綺麗なんだろうな。
「うわ、なに」
「なにって、自分が言ったんだろ?」
「え?」
「俺のためにあるんだろ、ここ」
そう言ってロクサスは、ぎゅっと私の腰に巻きついて胸に顔をうずめた。
た、確かに言ったけど!急に、え、ていうかロクサスがそんな、…ラッキー!
「…心臓、はやい」
ロクサスのそんな指摘に冷や汗の流れるような思いがした。
「おれ、お前の心臓の音好きだ」
そう言う優しい声がくぐもって聞こえて、出るはずもない涙が頬を伝った。
王国心/ロクサス夢