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小さく微笑むその姿を、何度愛しいと思っただろう。


「あ、斉藤さん!おかえりなさい!」
帰って来た俺を見つけて小走りで寄る彼女。何が彼女をそんな顔にさせるのだろう。普通なら外に出られずもどかしい日々を送りながら、外から帰って来た者にその笑顔は向けられないだろう。
「今日は、どうでした?何かありました?」
そんな彼女に、何もないとあっさり告げるのはあまりに酷だと思われたが、余計な期待をさせるのもまた筋違いだと思い、小さく横に首を振った。
「そう、ですか…。」
少し、伏し目がちになる。そんな姿に、胸の奥がチリチリと焼けるように感じたのは気のせいだろうか。
「すまないな。」
「え?」
「早く、その手で父上を捜したいだろう。」
「あ、いえ…大丈夫です。皆さんに捜して頂いてるんですから。」
「ずっと屯所に籠もりきりで、不満などないのか?」
そう問う俺に、彼女は少し難しそうな顔をして微笑んだ。
「ないと言えば、もちろん嘘になります。ですが…、」
少し、言葉に詰まる。
「生きて…いるので…。」
「…。」
「新選組の皆さんは、私を生かしてくださったので…。」
「…。」
「有り難いと…思っています。」
何を言うのだろうと思った。正直に言えば、全て悪いのはこちら側だ。隠しておかなければならない者を人目に晒し、それをたまたま見てしまった一娘を監禁し、監視している。第一、そんな秘密を持っていること自体、おかしいのだ。―――なのに、
「お前は…本当に…」
「え?」
「その様に生きていると、損をするぞ。」
「ええっ?そ、その様とは…?」
おどおどと慌てる様子がまた愛らしい。思わず、口元が緩むと彼女の頬が少し染まった。そっとその頬に触れると、熱く柔らかい。触れてしまった自分に後悔しながらも、その手は引力をもって離れなかった。
「さ、斉藤さん…?」
「その様に簡単に、人を信用するなということだ。」
そう一言言うと小さな理性が俺を制し、そっと頬に口づけた。
 

薄桜鬼/斉藤ゆめ

夜もすっかり更けた頃。少し肌寒く、何かが不安で少し目を開けると、隣に彼の姿がなかった。

見失うなよ 己が存在すべき理由をだ

すっかり冷え込んだ外へ、軽く着物を羽織って出た。外は暗く静かだが、星や月は美しく輝いて明るかった。そんな中に私の草履の音だけが響く。

「平助君…?」

探すような、呼ぶような声で彼の名前を言う。すると月明かりに照らされた彼が優しくこちらを振り向いた。

「ごめんな、起こしちゃったか?」
「ううん、大丈夫。平助君、こんなところで何してるの?」
「ん…、ちょっと眠れなくてな。」

やはりまだ夜眠ることに慣れないのだろうか。それは習慣のせいか、将又その流れる血せいなのか。平助君はいつものように笑ってみせる。が、それは自嘲的な色を持っていた。

「だめだなー、俺。やっぱり、人間じゃねぇのか…。」
「そんなことないよ。」
「いいんだよ。」

いいんだ、と自分に言い聞かせるように呟く。視線は空の星に。

「俺は、忘れないから。」
「…。」
「化け物になっても、例え我を失っても、お前を愛してることは…守り抜くことは。」

「 それだけが、俺の真実だ 」

そう言って振り返った平助君の視線が私とぶつかる。その瞬間に私たちは足りない隙間を埋めるように抱き合った。強く、だけど震える平助君の手は悲しかった。愛しかった。

(守ってもらいたい、守ってあげたい)

薄桜鬼/平助ゆめ
title by 選択識御題様

ぱっ、と貴方のその鋭い目を手で隠すと、何してんだと不機嫌そうな声が返ってきた。

「いつまでそれするの?」
「いつまでも、だ。」
「…では質問を変えましょう。いつになったら私の相手してくれる?」
「…。」
「ねえ、ゾロ?」
「…分かったよ。」

そう言ってゾロは渋々ではあるが、いつもの筋トレを中断してくれた。

「で、何だよ。」
「…別に?」
「あ?」
「そんな…さっきからなんか怖いよ。目も、話し方も。」
「…生まれつきだ。」

眉間に皺を寄せて言うゾロに思わず笑ってしまった。生まれたときからこんな顔なのだろうか。だとしたらとっても可愛げのない赤ん坊だ。

「何笑ってやがんだ。」
「いや…、私大人になったゾロに会えて良かったなって。」
「あ?なんだそれは。」

さらに眉間の皺が深まる。

「つまり、貴方が好きってことよ。」

いつものように口づけた。

 

ゾロ夢/ワンピース


 

なんで私じゃないんだろう。思い始めると止まらないから、考えるのは止めた。私はもう、いい。ただ傍にいて、その優しい瞳が彼女に向けられるのを黙って見ていよう。だって、それしかないじゃない。私がこの思いを口に出してしまえば、全てなくなってしまう。きっと彼は申し訳なさそうに悪い、と呟いて、別れも告げずに言ってしまうだろう。これは、今まで一緒にいて分かったこと。さようならだけは、それだけは



「おい、行くぞ。」
「…あ、うん。」
「なにぼーっとしてんだよ。」
「いや、ちょっと放心状態で。」
「あー?今からオレはどうなることか。オレの方が恐怖で放心しそうだぜ。」
「ふふ、嬉しいくせに。」
「ばっか!そんなんじゃねぇよ!」
「どうかな。」
「あのなー…、な、どうした?」
「え?」

気がついたら涙が頬をつたっていた。嘘だ。待って、お願いだから。

「…なんか、あったのか?」
「ううん、ただ…ちょっと、感傷的になっただけ。」
「…そか。」

少し悲しそうな瞳を前に向けるエド。夕焼けに輝く、金髪が眩しい。

「そんな日も、あるかもな。」

どんな顔でそんな優しい言葉を言ってるのか見たかったのに、私は涙で見れなかった。
 

エド夢/鋼練

好きという感情なんか必要ない。誰もが望む世界平和を叶えるためには世界を平均に、平等に均等に見なくてはならないんだろう?自分が可愛いなんて以ての外、まして誰かを思うなんて 想う、なんて
そうだとしたら二度と世界平和だなんて口に出さないでくれ




だから、僕はそんなもの願えない

(望めないし、望まない)




この青色だけが確かであればいい
いーちゃん(友)
 
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